いいかげん暮らし

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体験談:患者歴20年の私が、橋本病の症状と「もしかして橋本病のせいだったかも」と思い当たる節をまとめてみました

橋本病の甲状腺

橋本病が発覚したのは25歳の時です。35歳で初めての妊娠、流産を経験するまでは、投薬も必要なく、順調な経過でした。でも不妊と繰り返す流産、不妊治療の時の無痛性甲状腺炎などに悩まされました。橋本病は妊娠、出産時には注意が必要かもしれません。

このブログの記事が、橋本病で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

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橋本病とは

甲状腺機能低下症、つまり血中の甲状腺ホルモンが不足する病気のことを言います。甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を良くする機能を持っているので、これが不足すると、新陳代謝が不活発になり、太ったり、皮膚が乾燥したり、寒がりになったり、疲れやすくなったりします。

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私も通院していましたが、橋本病やバセドー病などの甲状腺疾患については、おそらく日本一の専門医である伊藤病院に詳しく書かれていますので、そちらのサイトがとても参考になりますよ。

結構怖い、橋本病の症状

橋本病の症状はたくさんあります。

むくみ、皮膚の乾燥、寒がりになる、食欲がないのに体重が増える、脈がゆっくり静かになる、無気力になり頭の回転が鈍くなる、月経や妊娠などの異常。(伊藤病院ホームページより)

これを読むと結構怖いですよね(泣)。「治らないので一生付き合っていく必要がある」と病院で聞いて、当時は若かったせいもあり、すごくショックを受けたのを覚えています。でも橋本病であることが発覚しても、きちんと定期的な検査をし、必要に応じて薬を飲んでいれば、このような症状が出ることなくコントロールできる病気だとされています。

痛くない橋本病の検査

検査は、血液検査、喉(甲状腺)のエコー、カプセル服用によるアイソトープ検査、問診・診察でした。採血の時の痛みだけで、他は痛みを伴いません。アイソトープ検査で、放射性同位元素を体の中に入れるというのが少し怖かったぐらいです。

橋本病の血液検査

以下の血液検査で、橋本病であるかどうかがわかります。

  • TPOAb(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)、TgAb(抗サイログロブリン抗体):橋本病であるかどうか
  • FT3(遊離トリヨードサイロニン)、FT4 (遊離サイロキシン):甲状腺から分泌されるホルモンが適切に分泌されているかどうか
  • TSH(甲状腺刺激ホルモン):甲状腺ホルモンの分泌を促すホルモンが適切に分泌されているか

TPOAb、TgAbが陽性だと、橋本病に罹患していることになります。この二つの数値が陽性でも、FT3、FT4、TSHが基準値以内であれば投薬は必要なく、定期的に血液検査をすることによる経過観察ということになります。

経過観察の時は、FT3、FT4、TSHだけ調べます。疲れていたり、何か調子がおかしいという場合は、自己申告し、肝臓の数値など一般的な健診の血液検査項目も調べてもらいます。

橋本病の血液検査はどこでもできる

ちなみ血液検査ですが、伊藤病院はとても混雑するため、6年前に子どもが生まれてからは時間的にとても通うことができず、近所の病院で検査をしています。血液検査に対応できる内科であればどこでも検査ができます。ただ開業医のように数日待つことなく、数時間でその日のうちに結果が出るのが伊藤病院の良いところですし、初診は専門医である伊藤病院で診ていただくほうが安心のように思われます。

ただし妊娠中は専門医の指示に従い、こまめな血液検査を

私の場合、通常は半年に1度の血液検査でしたが、妊娠中は以下の通りでした。

妊娠したら5~6週で受診し、甲状腺機能をチェックしましょう。妊娠初期は4週ごとに、その後は30週前後に甲状腺機能をチェックします(状態により個別対応を行います)。

成育医療センターホームページより

流産などの妊娠、出産異常につながりますので、医師の指示に従って、こまめに検査していくことが大切です。

橋本病は遺伝するのか?我が家の場合

橋本病は女性がかかりやすく、男女比は1対20~30と言われています。また甲状腺の病気は遺伝と関係があると言われていますが、我が家の場合、私の母親に甲状腺疾患はありませんでした。今6歳の娘はまだ検査をしていませんが、遺伝していないことを祈るばかりです。先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)は大丈夫でした。

私の経過:病状とこれまでの症状

25歳の健康診断の時に指摘される

年に一度の定期的な健康診断の時に、病気が発覚しました。血液検査や心電図などを終えて、最後のほうに医師の問診がありますよね。その時に「のどが少し腫れているように見えるので、念のため伊藤病院で検査をしてみたらどうですか」と勧めてくれたのがきっかけでした。でも自分では腫れていないように見えました。

伊藤病院での検査で、経過観察の橋本病であることが判明

さっそく病院に行き一通りの検査をしてもらうと、軽度(経過観察)の橋本病であることが分かりました。FT3、FT4 、TSHが基準値以内だったため経過観察。投薬は必要ないのですが、半年に1度血液検査をして数値に変動がないか見ていくことになりました。基準値以下になると、薬(チラーヂンなど)を飲むことになります。

FT3、FT4、TSHの数値は、妊娠、出産時期以外は、27年間、基準値から外れたことなし

時々、「異常に疲れる」、「異常に眠い」、「異常に寒がりになってる」という状態になり、そういう時は半年を待たずに血液検査に行っていました。でもいつも基準値以内。これまでの27年間、妊娠、出産時期以外は、数値が基準値から外れることはありませんでした。春夏秋冬、季節による数値の変動もありません。あまり食べないほうがいいとされている昆布やとろろ昆布などを食べることもありましたが、それでも数値が乱れることはありませんでした。

経過観察の橋本病である私の体調

橋本病の人がなるとされる症状別に、私の状態を見てみます。

  • むくみ:顔がむくみ系です。太っているからかもしれませんが、ゲイバーで「むくみちゃん」というあだ名をつけられたことがあります(笑)。体は、太っていはいますが、むくんではいないと思います(自己評価)。
  • 皮膚の乾燥:乾燥肌です。冬になると手のひら、足の裏、背中、頬などの乾燥がひどいです。爪が割れ、指先のささくれ(さかむけ)もひどいです(泣)。唇の乾燥もひどいので、一年中リップクリームが欠かせません。そして子どもの頃から軽度ではありますが、アトピーです。
  • 寒がりになる:寒がりで冬は苦手です。肩から腕にかけてがの冷えがひどく、寒すぎて、眠れなくなる時があります。
  • 食欲がないのに体重が増える:食欲があるので、体重が増えます(笑)。
  • 脈がゆっくり静かになる:脈が遅いです。おまけに血圧も異常に低く、検診では何度も測りなおされます。
  • 無気力になり頭の回転が鈍くなる:仕事は早いと言われていますが、物忘れが激しいかも。長期記憶と人の話を覚えておくのが苦手です。趣味が全くないわけではありませんが、熱中してしまうようなものはありません。
  • 月経や妊娠などの異常:出産後なくなりましたが、中学から生理痛がひどく、毎月バファリンを飲まないと脂汗をかいて座り込んでしまうほどでした。周期は正常でした。そして不妊で不育。4度の流産の後、不妊症と不育症の治療を経て出産に至りました。

妊娠、流産、出産後の橋本病の変化

残念ながら私の場合、不妊症で不育症でした。でも調べてみると、橋本病でもなんら問題なく、妊娠、出産されている方の体験談(ブログ)がいくつもありましたので、不妊症や不育症に、橋本病が関係しているのかどうかは分かりません。

私の症状はこんな感じでした。

  • 3度目の妊娠前(タイミング法での不妊治療中)に、FT4の数値が少し下がったため、チラーヂンを服用。その数か月後、4度目の妊娠中にFT4の数値ややが高くなりました。残念ながら初期流産。流産後FT4の数値は基準値内に戻りました。この変動が流産の原因なのかどうかわかりませんが、医師によると妊娠初期に一時的にFT4の数値が上がることもあるそうです。
  • 5度目の妊娠前(誘発での体外受精による不妊治療中)、排卵誘発剤のセロフェンとフォリスチムを投与するようになってから、暑がりになり、2キロ痩せ、時々動悸がするので心配になり、伊藤病院に行きました。すると少し数値が亢進し、無痛性甲状腺炎(一時的に甲状腺ホルモンが過剰になり、バセドウ病のような症状がでる状態)になっていました。無痛性甲状腺炎は一般的に、数か月すると自然におさまると言われているので、特に投薬などの治療はしません。このような状態でしたが、体外受精によって無事妊娠することができました。
  • 妊娠初期に、今度は甲状腺ホルモンの数値が低下してしまったため、チラーヂンを1日1錠(途中から半錠)飲みました。そして無事出産に至りました。

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もしかしたら橋本病のせいだったのではと思い当たること

橋本病と診断された時、「あぁ、やっぱ病気だったんだ」と妙に納得するところもありました。というのも子どもの頃から、疲れやすかったり、やけに後ろ向きな考え方だったりしたからです。これが橋本病のせいだったかどうかわかりませんし、またこういう体質、気質だったことが、ストレスが原因の一つではないかと言われている自己免疫疾患(橋本病)を発症する引き金となったのかもしれません。

ただもしも同じような症状で苦しんでいる人がいて、このページに行き当たった時に、甲状腺機能の検査をすることで、少しでも苦しみが軽減することにつながればいいなぁという思いで、私の症状を記録しておきたいと思います。

  • 子どもの頃から疲れやすく、活発ではなかった
  • 子どもの頃からネガティブで、余計なことばかり考えてしまい疲れていた
  • 子どもの頃から老け顔だった
  • 車や電車に乗ると、前の晩しっかり睡眠を取っていても、疲れていなくても、必ず寝てしまう
  • 人混みやうるさいところが苦手で、ひどく疲れてしまい、友達とのショッピングなどもあまり楽しめない
  • 音に敏感。特定の電子音が苦手。全く大丈夫な音域もあるのに不思議。冷蔵庫の音が特に苦手です。橋本病に関係ないかもしれませんが、聴覚過敏症っているのがあるようですね。調べていて知りました。
  • 寝つきが悪く、眠りが浅い

思いつくのはこんなところですが、また思い出したら追記したいと思います。

橋本病の症状への対策

私の場合、特に冬の寒さと乾燥対策が必須です。

ホットパック(あずきのチカラ)

あずきのチカラ

寒気は肩から上腕にかけてがひどいので、「あずきのチカラ」というホットパックを使っています。レンジで温めて1回20分ぐらい持ちますが、ほんのり小豆の香りがして、熱すぎず、じんわり温まるので、特に寝る前などにおすすめです。

レッグウォーマー

綿シルク100%レッグウォーマー

ふくらはぎやすねなど、足の下の方が温かいと、さほど寒さを感じなくなります。そのため冬はレッグウォーマーが手放せません。私が使っているのは、シルクとコットン100%のもの。肌触りが良くておすすめです。

ババシャツ(笑)

外側にカーディガンなどを羽織るよりも、内側にヒートテックのような肌着を着たほうが温かくなるので、ババシャツは必須です。ベルメゾンネットの「ホットコット」は、綿100%の発熱インナー。本当に温かくて気に入っています。価格が安いのもありがたいところです。

オーガニックのリップクリーム&ハンドクリーム

バジャーのリップクリーム

乾燥対策には、できるだけオーガニックや無添加の、リップクリームやハンドクリームを使っています。

オーガニックコスメのウェブショップ「iherb」は、すごく安いのでおすすめです。

色々買ってみましたが、アメリカ発のブランド「BADGER(バジャー)」は、アナグマのキャラクターやパッケージも可愛く、気に入っています。

ハイランドミント」というリップクリームは、日本では500円ぐらいするのが「iherbでは300円ぐらい。全然安いので、1年分をまとめ買いしています。

バジャーのリップ、ハイランドミント

以上、私の橋本病の症状と対策についてまとめてみました。

※追記:2017年2月現在、発症から27年経過、出産から6年経過しましたが、甲状腺の数値は安定しています。子どもに遺伝しているかどうかの血液検査はまだしていません。

(投稿日:2016年10月4日 /更新日:2017年1月4日)

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